モデルハウスを観てまわられたり、家づくりを検討される段階で「標準仕様」と「オプション」という言葉はよく聞きますよね。住宅の標準仕様に関する考え方は住宅会社それぞれで、IN or OUT。つまりどこまでが「標準仕様」に含まれ、どこからはそれに含まれず「オプション」となるのか。どこで線引きするかによって異なります。
たとえば私が車や旅の宿泊プランを選ぶとき。性能や機能、全体の質に関わる大切なことは何があっても変えてほしくないって思います。ここまでは「オプション」にしないという線引き。「標準仕様・オプションいずれも、如何様(いかよう)にも…」という言葉は一読一聴して親切な感じがするようでいて、実はその商品やサービスが何を大事にしているか曖昧に、分かりづらくしてしまうような気がして。
注文住宅の「標準仕様」は本来分かりやすくなければ、と家づくりに関わる私たちでさえ思います。永くいい家に住んでいただくための標準仕様であることが大切で、いかようにもします…と言うのは簡単なことですが、素材やサイズ、そして価格、このバランスを考えるのが私たちの役割なのです。これからの長い先々を思えば、目先の価格や目先のプランだけで判断してはいけないと考えています。
Answerが考える標準仕様についてお話しますね。
“標準”の質を落としてしまえば、将来の暮らしに不安や不便を残してしまいます。のちの光熱費やメンテナンスのコストといった家を維持する上で重要な部分に影響するため、Answerの家の標準仕様はご予算に関わらず変えないでいただきたいものと位置付けています。性能に差のある住まいをご提供しないことは、私たちの信念でもあります。“コストを抑える”とは、かけるべきコストにこだわり、のちのコストを抑えることだと思います。
たとえば断熱材の話も、標準仕様にするのかオプションにするのか。
Answerの家はいいとこどりの「ダブル断熱工法」が標準仕様。内断熱か外断熱かのあえて一択にせず、両方の特性を理解した上でそれぞれの長所を兼ね備え、夏は涼しく冬は暖かい家を実現しています。木質繊維の断熱材を採用。ここにはしっかりと費用をかけてほしいと思います。それがその後の光熱費を抑え、結果住まいの寿命も大きく変えていくからです。
窓で言えば、北欧で生まれた「木製トリプルサッシ」。高い断熱性能とともに結露を抑えることで住まいをカビや腐食からも守ります。
これらは永く住んでいただく家のためであり、私たちがその性能に責任を持てなくなるため妥協してはいけないものと考えています。
環境問題や光熱費の抑制という観点からも、家の性能に対する関心はより高まっています。材料は何を選べばどんな性能を発揮するか。家づくりは長年の経験や知恵を重ねてこその「品質」なのだと思います。
それに対してキッチンなどの住設機器は、初期段階では予算を明確化するため提示する、言ってみれば目安のようなもの。弊社が推奨するメーカーやグレードであることに間違いありませんが、最終的には予算によってアップグレードやダウングレードしていただいてもいいものです。だから私たちは「オプション」としています。
大切なことを変えないで価値を保つ。そんな家っていい。私たちはそう思っています。