DAILY DISCOVERY デイリーディスカバリー

「注文」するって難しい

2024.12.26

「注文住宅」の注文。お客様自ら何から何まで全部注文するのは難しいだろうなって、お客様に寄り添いお話を伺う私たち工務店でさえ思います。家づくりのオーダーを1から10まで話せる、伝えられる方はなかなかいらっしゃらないはずです。お客様のご要望が10あったとして、私たちがその10をクリアしてご提案すれば十分というわけでもありません。その想いをくみ取りながら、必要とあれば15や20…それ以上の提案でお返しすることが注文住宅なのだと。

お客さまとの打ち合わせで「あとは、おまかせできますか」と言われ思い出しました。
子どもの頃母に、弁当のおかずをリクエストしたとき。「たこさんウインナーと卵焼き、唐揚げ…(心の中で、あとはおまかせ)」。必ず食べたいものや苦手なものは伝えて、あとは何が入っているのか弁当を開ける楽しみがありました。対極にあるのはお弁当屋さんの弁当。何が入っているかすべて分かった上で注文しますよね。
外食でもメニューをおまかせすることで、想像してなかった食材や初めての料理と出会ったり、新しい気付きがあったりと結果満足度が上がることも実は多いのです。注文を「悩む」幸せもあるし、一方「おまかせ」でわくわく期待しながら待っている幸せだってあります。

「あとは、おまかせできますか」というお客さまの言葉も、私たちのモデルハウスを十分にご覧になっていただいた後のやりとり。家づくりの考え方や感性をご理解いただいてのことと拝察しています。家づくりのすべてを口に出して注文するって、やっぱり難しいことだと思います。そもそも気付いてなかったことは注文できないし。
だからこそモデルハウスをご覧になって、お客様にとってのいいとこ取りをしていただいてオーダーする。これも注文の仕方じゃないかなと思っています。潜在的なご要望…という。

「おまかせ」という注文は技量やクリエイティブを信頼していただいた上でのことだと恐縮しています。ここから先は私たちがお引き受けするという想い。お客さまのこれからの暮らしをお預かりするのだからと、改めてしゃんとします。心が上を向きます。