DAILY DISCOVERY デイリーディスカバリー

ゴルフは遊びだ 真剣にやれ

2025.01.31

作家・伊集院静さんの著作にあった一節だと記憶しています。「ゴルフは遊びだ。真剣にやれ」。これ、「気楽にやれ」じゃなく遊びを真剣にってところが粋ですよね。多趣味でこだわりの強い、伊集院さんらしい含蓄のある言葉です。では、そもそも真剣に遊ぶって何だろう。もう少しゴルフが上手くなれば、私よりゴルフ歴が浅い方とラウンドしても寄り添ってカバーすることができます。自分より上手な方には迷惑をかけず、そういった方々のプレーを拝見する余裕も生まれるはずです。遊びを真剣にやるということは、仲間と遊ぶためのマナーでもあるように思えます。酒飲みにもマナーがあるように。

そしてスコアもさることながら会心のショットを打ちたい。多少出入りが激しくとも、ダイナミックに果敢に攻めることができる人でありたいのです。というわけで、もう一段階前に進むために、基本からやり直してみました。そもそもゴルフ練習場において、ゴルフの練習をしていない人はいません。けれど以前の私は漠然と、練習場へ行くことで練習した気になっていた気がします。目先の出来に一喜一憂して。
スイングの基礎をつくるための練習ドリルは、同じことの繰り返しでつまらない。だから元に戻ってしまう。いつもそこで終わっているからダメなのです。それは分かっていました。今回は一念発起。スイングの再現性を高め、球筋が変わる分厚い当たり。そんなのを打ちたいって思いました。
すると今までの乱れの幅が小さくなり着実に変化を実感できました。ラウンドで効果が出始めると俄然練習はおもしろい。結果が出る瞬間の喜びを知ることで「練習」は本当の意味を持つのだと思い知りました。

あぁ10年前にこのことが分かっていれば。でも今からだっていいのです。気づいたときから実行に移すことで、これからのゴルフが変わってくるはず。今ではむしろ、コースに出るよりも練習のほうが楽しくなってきている自分がいます。基本を納得するまで反復しない限り手に入れられないものがあります。だから現在進行形でゴルフが楽しい。
自らが見つけて掴んだスタイルや経験値は、身に付き方の深さのようなものが違う気がします。時々起こる練習のまぐれは勘違いを生みかねません。二度と再現できなかったことを繰り返していた日々は、本当の練習じゃなかったかもしれません。
仕事もそういうものだなとつくづく思います。一朝一夕、簡単にクリアできるものじゃないし、付け焼き刃で身に付くものじゃありません。できたと思っても、次の日には新たな改善点が見つかります。諦めずそこにフォーカスすることで、新たなアイデアがよりよい成果を生み出していく。だからますます楽しくなっていくのです。
そんなわけで、いま一番欲しいものがゴルフのレーザー距離計です。以前の自分なら、買ってもどうせ思い通りに打てないと諦めていたかもしれませんが、前向きに取り組んだ練習の成果が出始めて可能性が上がった今だからこそ欲しいのです。結果はどうあれ、ピンまでの距離が分かった上で自信を持ってスイングできる…はず。